忌野清志郎の命日

さんはん,言いたい放題,自由,詩人,平和,反戦,忌野清志郎の命日 エッセイ

音楽にのめり込んだきっかけ

中学一年生の冬。2階の和室にあった小さなブラウン管テレビの中で、おっさんが楽し気に歌いながらズボンをおろし己のケツを見せつけていた。サザンオールスターズのボーカル桑田佳祐だ。放送されていたのは、桑田佳祐ソロ名義で行っていた「LIVE TOUR’94 “さのさのさ”」横浜アリーナの年越しライブ中継だった。『祭りのあと』『真夜中のダンディー』などが歌われていて、「いいですねぇ~」とニコニコ見ていた。中でも気に入った曲は『飛べないモスキート(MOSQUITO)』という曲だ。これで桑田にはまり、彼の活動を追い始めすぐにサザンオールスターズに到達し、親戚もサザンオールスターズの曲を聞いていたので色々繋がった。

年が明けた1月、桑田佳祐はMr.Childrenと一緒に『奇跡の地球』をリリースする。そして5月には大阪城ホールで桑田佳祐とMr.ChildrenがLIVEを行った。その中で歌われたのが『Like a Rolling Stone』である。この曲はBOB DYLAN(以降ディランと表記)が1965年に発表した曲だ。この曲に魅了された私は、川崎アゼリアにあったCD屋さん「新星堂」へ足を運び 『Like a Rolling Stone』 が入っているディランのCDを探した。どうしても原曲を聞いてみたかったのだ。アルファベットBの棚へ足を運びディランのCDを色々みた。初めて買ったディランのCDは『Greatest Hits』いわゆるベスト盤である。家に帰ってワクワクしながらCDプレーヤーにCDを入れて全ての曲を聴いた。リストはこちら。

  • Rainy Day Women
  • Blowin’ in the Wind
  • The Times They Are a-Changin’
  • It Ain’t Me Babe
  • Like a Rolling Stone
  • Mr. Tambourine Man
  • Subterranean Homesick Blues
  • I Want You
  • Positively 4th Street
  • Just Like a Woman

お目当ての原曲Like a Rolling Stoneも聞けて大満足だったが、この時点から世界で一番好きな曲はディランのI Want Youになった。これは今でも変わらない。

You Tube Bob Dylan 公式の『 I Want You 』良かったら聴いてね。出だしのハーモニカから既にクライマックスだし、途中の転調もたまらんです!歌詞も3150!

こうして私はディランやその周辺、例えばThe Bandなどを聴きあさるようになる。まーその話は、またいつかの機会に。

バンドの楽しさ

中学二年生の時、お年玉で2万円のMorrisのフォークギターを買った。このギターは弾きすぎて、今ではネックが折れてしまっている。実家に置いてあるので、いつか機会があったら楽器の数々を紹介したい。この時から、自分で歌詞も書き始めた。この習慣が今でも書き続けている、‘‘詩‘‘につながる。高校一年の時に、友だちとバンドを組んで、文化祭のステージに立った。この時のギターはFenderUSA American Standard Stratocasterだ。私よりうまいギタリストが居たのだが、ドラムを叩ける人が居なかったので彼がドラムをたたき、私がギターを弾き、後にプロボクシングで新人王をとる男がボーカル、千葉に住むカットがベースの4人編成だった。練習も舞台もとても楽しかった。

日本のバンド

今でも世界で一番好きなミュージシャンはディランで変わりない。日本国内では、3組いる。野狐禅、RCサクセション、サザンオールスターズだ。野狐禅は私が弾き語りでライブハウスデビューした時に、たまたま対バンで一緒だった。とても仲良くしてくれて、北海道のワンマンツアーの時は、旭川『HI-JACK ON』の前座で歌わせてくれた。この時はMartin-D28大倉くんカスタムを使っていた。野狐禅のお二人、本当にありがとうございました。

オフィスオーガスタ公式の動画 野狐禅『自殺志願者が線路に飛び込むスピード』
私たちPYOM旅団 『今日は僕の番』 PYOMの意味ってなんだい?とたまに聞かれるよ。答えはいつかの詩のタイトルにあるよ。

そして、RCサクセションである。いわゆるRCサクセションが全盛期だった70年代はまだ産まれていないし、80年代は『キン肉マン』の歌に夢中だったので、存在をあまり知らなかった。後追いも後追いで存在を知り、RCの曲をたくさん聴いた。清志郎の特徴的なボーカルにすぐに心を奪われた。彼らの曲で一番好きなのは『Johnny Blue』なのだが、公式動画は存在しないので、貼れない。

この姿勢

1988年。RCサクセションが世界中のヒット曲をカバーした『COVERS』という作品を東芝EMIから発表する予定だった。しかし、発売に待ったがかかった。どうやら歌詞に「原子力発電」を反対する内容の曲があるようなのだ。東芝は原子力事業を行っているので、看過できないということか。結局この作品は古巣のキティレコードから発売された

売中止を知らせる広告

 当時の報道

問題となったと思われる作品の歌詞。こういった出来事があったのも、時が経ってから知った。この時は、まだまだ坊やだったから。

何言ってんだー、ふざけんじゃねー
核などいらねー
何言ってんだー、よせよ
だませやしねぇ
何言ってんだー、やめときな
いくら理屈をこねても
ほんの少し考えりゃ俺にもわかるさ

放射能はいらねえ、牛乳を飲みてぇ
何言ってんだー、税金(かね)かえせ
目を覚ましな
たくみな言葉で一般庶民を
だまそうとしても
ほんの少しバレてる、その黒い腹

何やってんだー、偉そうに
世界の真ん中で
Oh my darling, I love you
長生きしてえな

Love me tender, love me true
Never let me go
Oh my darling, I love you
だまされちゃいけねぇ

何やってんだー、偉そうに
世界の真ん中で
Oh my darling, I love you
長生きしてえな

原曲はE. Presleyの『Love Me Tender』

もういっちょ、同アルバムに入ってる作品から。

暑い夏がそこまで来てる
みんなが海へくり出していく
人気のない所で泳いだら
原子力発電所が建っていた
さっぱりわかんねえ、何のため?
狭い日本のサマータイム・ブルース

熱い炎が先っちょまで出てる
東海地震もそこまで来てる
だけどもまだまだ増えていく
原子力発電所が建っていく
さっぱりわかんねえ、誰のため?
狭い日本のサマータイム・ブルース

寒い冬がそこまで来てる
あんたもこのごろ抜け毛が多い (悪かったな、何だよ)
それでもテレビは言っている
「日本の原発は安全です」
さっぱりわかんねえ、根拠がねえ
これが最後のサマータイム・ブルース

(原発という言い方も改めましょう。
何でも縮めるのは日本人の悪い癖です
正確に原子力発電所と呼ぼうではありませんか。
心配は要りません)

あくせく稼いで税金取られ
たまのバカンス田舎へ行けば
37個も建っている
原子力発電所がまだ増える
知らねえ内に漏れていた
あきれたもんだなサマータイム・ブルース

電力は余ってる、
要らねえ、もう要らねえ

電力は余ってる、
要らねえ、欲しくない

原子力は要らねえ、
危ねえ、欲しくない

要らねえ、要らねえ、欲しくない
要らねえ、要らねえ、

電力は余っているよ
要らねえ、危ねえ

原曲はE. Cochran & J. Capehart『Summertime Blues』

今から34年前の作品である。タイマーズのボーカルとして出演した「夜のヒットスタジオ」でも、圧力に屈したFM局に対し、当てつけのような歌を歌うなど物議を醸してきた、日本のキングオブロック忌野清志郎。今まさにBS3でリマスター版のライブ放送をしている。見ながら書いている。「夜のヒットスタジオ」事件については、(タイマーズ ヒットスタジオ)で出てくると思うので、気になる人は見てくれ。バンドとして頂点を極めているのに、大資本にも忖度することなく言いたいことを言い続ける。私も少しは清志郎のように、言いたいことを言えているだろうか。学校現場では、言いすぎて、管理職からはだいぶ煙たがられてしまったと思うが、悔いはない。「おかしいことはおかしい」と言いたい。

清志郎がいなくなった

2009年5月2日、清志郎はお空に行ってしまった。本日の朝、TwitterのFFの人がこんなことを呟いていた。

 「大人だろ、勇気をだせよ~」は『空がまた暗くなる』という歌の歌詞。いい曲です。
  RCの本や清志郎のコンサート映像など

清志郎がお空に行ってから13年。個人的にはドンドン世の中がおかしくなっている気がする。やったもん勝ちというか、なんというか。権力者と呼ばれる人たちほど、そんな姿勢な気がしてならない。世界のあらゆる場所では、今でも人が人を殺している。本当は嫌な人だっているはずなのに。こんな時、清志郎がいたら何をするのかなと多くの人が思うであろうことを、私も今日1日考えていた。忌野清志郎公式チャンネルから一曲。『JUMP』

  「なぜ悲しい嘘ばかり 俺には聞こえる」

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