自分の足取りがわからない
わからないというかおぼつかない
なるべく楽しい場所に行きたいよ
ジョバンニが手招きしている
みんなフワフワ空を浮遊しているように
悲しい現実をスルーしている
どこまでもどこまでも極彩色が広がっている
ぐらついた奥歯痛いよ痛いよ
空洞から手招きしているのは女王蜂
隙間からのぞくチャンスゾーン
上弦のような扇子ムーン
飛び込もうか迷っている間に入り口は
どんどんどんどん狭まっていく
考える時間すら与えられない
図体ばかりでかくなった近所のあの子
いつも泣いてばかりいた近所のあの子
今では何も考えられなくなってしまって
うつむいたまま日中を過ごす
中枢神経が刺激され指先が硬直する
力んでしまってアンアンアアン
アンアンアアン
今だけなら君にとって都合のいいことを言う
明日のことなんて考えちゃいない
今この瞬間君が最高に気持ちよくなってくれれば
折角雨があがったのだから一緒に出掛けようよ
だからと言って特別やりたいことがあるわけではない
川沿いの土手に一緒に座ってさ
たわいもないことを話し続けようよ
都県境の長いながい橋をみんなで立ち漕ぎ
下り坂を転がりまわる僕たちは
笑いころげてケラケラケラ
車輪止めに激突しちゃってバックフリップ
着地失敗膝から 流血ドクドクドク
ヘンゼルとグレーテルみたいに目印つけながら
見慣れた下町フラフラフラ
和室に鎮座する三面鏡
角度を変えながら己の分身をひたすら増やす
鏡に問いかける「お前は誰なんだ?」
アイブロウを取り出し薄い眉毛をメチャ濃くする
キリっとした形に整えてルージュの口紅を取り出す
ドドリアさんくらい塗りたくる
「お前は誰なんだ?」
大笑いしているかと思いきや
とても冷めた目で遠くを見ているそこらのオバちゃん
アタフタしながら手探りで地面を探る
目線に広がるのは己の嘔吐物
夜は多くの人で賑わう繁華街の十字路で
気が付いたら知らない人が手を差し伸べてくれた
起き上がりながらお礼を述べようとするけど上手く言えない
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