方々から人々がやってくる
ここはスクランブル交差点
信号の色は見る人によって
違う色に見えていることだろう
あなたの思うブラウンと
私が想像するブラウンは違うのだ
彼は街行く人に話しかけながら
何かを探すような仕草をしていた
冬になると手がとても乾燥する少年が言った
「他所は他所、ウチはウチ」を徹底して
干し草にもたれかかりながら
家族はその話を聞いていた
大きな荷物を抱えて父が帰宅する
「おーい、運ぶの手伝ってくれ」
中にいる家族に声をかけるが返事はない
手伝うのが面倒くさいのか…それとも…
中々雨がやまないからと
テルテル坊主を窓際に並べる人が居た
二体並べられていたテルテル坊主は
どちらも悲しい顔をしていた
探し物をしていた小太りのおじさんは
道にしゃがみ込んで地面の亀裂に手を突っ込んだ
「あったぞ!」嬉々として声をあげるおっさん
ガシ…ドン!ドン!
何かが引っかかって探し物は取り出せなかった
コメント