ビーサンで芝生を歩く
素足にたくさん草があたる
チクチクと私を攻めてくる草は
竹林の畜生道に迷い込み
いつしかオオブタクサに覆われた
陽射しを避けるよう木陰に入る
微かに聞こえる水しぶきの音
足の指の間を微生物が行き来している
カッサンドラ―の物語を思い出し
打ち上げられる噴水を眺めた
たまに小枝が足の付け根を刺してくる
古代の武器戟のような形をした小枝
先端を足で踏めば跳ね上がり
軌道の読めぬナックルボール
ワンステップでかわし膝をつく
ビーサンで芝生を歩く
素足にたくさん草があたる
喜びのウェーブで迎えてくれる
第9が鳴り響く時節になると
辺りの景色は見間違える
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