中村哲さんさようなら

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『ほんとうのアフガニスタン』

アフガニスタンで12月4日、医師の中村哲さんが銃撃され死亡した。73歳だった。

私が中村哲さんのことを知ったのは、大学生の時だった。2001年9月11日アメリカで同時多発テロが起きた。当時のアメリカ大統領ジョージ・W・ブッシュ「テロとの戦い」を宣言。同時多発テロはアルカーイダと呼ばれる国際テロ組織の仕業だとして、アフガニスタンへ侵攻した。

当然世の中はアフガニスタンへの関心が高まる。2002年3月、本日のアイキャッチに使用した『ほんとうのアフガニスタン』(光文社)が出版された。本の著者は1984年から18年もの間、アフガニスタンで「いのちの闘い」を行ってきた中村哲さんだ。

本を読んで、飲み水の貴重さを今まで以上に実感したことを思い出した。改めて見返してみる。この本の中で中村さんはこう書いている。

医者の私がこんなことを言ってはいけないが、アフガニスタンの現実は病気どころではなくなっていた。病気は後で治せるから、まず生きておりなさい。何よりも水だ、水。水を何とかしないと、本当にみんな死んでしまう。

ほんとうのアフガニスタン (光文社)

中村さんをはじめとする医師団は、飲み水確保にむけ1年間で1,000本の井戸を掘ったという。1984年から35年。井戸を掘り続け、人々に医療を施し、食料を配給してきた中村哲さん。とても残念なことになってしまった。ゆっくりお休みください。今まで本当にお疲れさまでした。ありがとうございました。

フランス大規模ストライキ

話は一気に変わる。フランスで5日に大規模なストライキが予定されている。これを書いている日本時間12月5日17時は、フランスだと12月5日9時なのでまさにこれからストライキが始まるといったところ。

理由はマクロン大統領の年金制度改革に抗議するため。「現在より支給額が減らされる可能性がある」と反発している。

このストライキで注目してほしいのは、公共交通機関の職員や学校教員らの多数が抗議のストライキに賛同し行動に移すと表明していることだ。パリでは7割の学校が休校予定だ。

SNCF(フランス国鉄)の労働組合高速鉄道TGVの約9割、首都であるパリ市内の地下鉄16ある路線のうち10路線で運休するという。国鉄職員はストライキの期限を示していない。交通機関で言うと、エールフランス航空もストライキ参加予定である。

他にも警察や消防、病院、役所関係や教育機関など、多数の人々がストライキに参加するようだ。流石はフランス革命を経験し、市民の手で様々な権利を勝ち取ってきただけはある。

ストライキが長引くと、観光業に打撃が起きたり国内の経済活動に支障がでることも確かであろう。それでも、自分たちの意思をハッキリと強烈に示す必要があるときはキッチリ行動しよう。勝手に、海外のニュースにエールをもらったのであった。

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