近頃の喧騒が嘘のような空間
陽が高くたかく昇り空に鳳凰を描く
空中に漂うピンクの子どもたち
あちらこちらから手招きされて
嬉しいやら恥ずかしいやら
こちらの様子を伺いながら
近づいてくるわけでもなく
遠ざかっていくわけでもなく
ただ空中に漂いながら
散ってしまうその時まで
存在をしっかりと見せつける
散る間際落ちたくないよう嫌だよう
か細い声で泣く花があるではないか
咲きたくなかったのに咲いてしまい
高所から飛ぶのが怖いようだ
強風のせいか震えているからなのか
枝が激しく上下に軋む
地上ではネモフィラが
いまかいまかと待ち構える
空中に舞い降りた震える子は
強風に煽られて鉄塔の上に辿り着いた
後はただ気を失っているだけだった
散った花が舞い上がり
風に煽られて四方八方へ運ばれる
上昇したと思ったら
すぐに地面に叩きつけられる花
一見するととても可愛そうだけれども
そちらが良いこともあるのかな
ないのかなわかんないや
人は色んなことを考える
絡み合う考えが綿あめを膨らます
呑気に時が過ぎるのに身を任せ
華胥の地でただ適当に詩を詠む
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