坂に向かう途中のパン屋さん

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池の周りを一緒に歩いて
ドンドン進む君を斜め後ろから眺めて
陽だまりに佇んで本を読み
君は膝の上でスヤスヤ寝ている

池に時たま波紋が広がって
トクトク形づくる楕円形は
水だまりになることはなく
思い思いに散らばっていく

むき出しのアパートの部屋に帰る
チャプンと浸かって風に吹かれて
部屋に友を残し買い出しに出る
坂に向かう途中のパン屋さんへ

金物店のおっちゃんと挨拶する
以前ここでプラスドライバーを買ったかな
あやふやな記憶を紡ぐように
脳内回路をつなげ続ける

しばらく行くと小高い丘が見えてきた
そこへ誘うように坂道が拡がっている
その手前にあるのがそうだね
坂に向かう途中のパン屋さんだね

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