誰もいない

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澄み渡った空がどこまでも続き
桜並木がニコニコしながら招いている
「社長」と呼ばれる男が少し高いステージにあがり
尻上がりに語尾が「グン!」とあがる半疑問形で
誰でも言いそうな空虚なことを話していた
変色してしまい元の色がわからない板切れを見つめながら
時間が過ぎるのを待っている
育ちすぎた枝が窮屈そうに身体を丸めながら屋根にぶつかっていた

相変わらず澄み渡っている空を
大きくおごそかにトビが自分の色に塗りつぶしている
私はそれを見つけると大きく振り返ったと同時に
指先に電流が走った!ひじのエクボを鉄柱にぶつけたのであった
あぁ…ホールの中に響き渡る「社長」の疑問に答えるように
ワタシのひじがピクピクしているではないか
近くにあるベンチにこしかけ青空を見上げている
空のどこにも神様はいないし近くに誰もいなかった

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