うすら寒い映画
先日「新聞記者を観に行きタイ」で行くかもと書いた。行ってきた。何ともうすら寒い映画だった。いや、映画の内容自体はメチャクチャ熱い!何が寒いって、本当に映画のようなことが行われていたら背筋も凍るような思いになると言うことである。
※一部ネタバレを含みますのでこれから映画館へ行く方はそのつもりでお読みください。
内調の暗躍
映画の冒頭何かの討論番組に原作者の望月衣塑子さんと元文部科学官僚、前川喜平さんの姿が確認できる。この時点で既にワクワクし始めている。映画は2人の人物を軸に展開される。新聞記者の吉岡エリカ(シム・ウンジョンさん)と内閣情報調査室(以降・内調)の若手官僚、杉原拓海(松坂桃李さん)だ。
杉原拓海を見ながら誰かに似ているなと考えていた。丸山穂高議員だ。丸山穂高議員のtweetへしょっちゅうコメントを行っている。彼の顔は脳裏に刻み込まれている。どことなく松坂桃李に似ている。ちなみに杉原拓海は外務省から出向して内調に来ている。
杉原は内調で何とも卑劣な仕事を上司から命令される。内調は内閣官房の内部組織である。そこに集まる官僚たちはいわゆるエリートたちだ。そのエリートたちがtwitterなどのSNSを使い政権の邪魔になりそうな”一般人”を陥れるため、毎日のように様々なでっち上げを投稿している描写がある。エリート官僚に何をさせているのだろうか。林業が人手不足だなんだと言われているのだから、そちらに予算を回すだとかあるだろう。何ともうすら寒いことをさせているものだ。
神崎さんのような人
テーマとなる事件も2つ。登場する学校名や人物名などはもちろん変更されている。だが、一発でわかるだろう。モデルとなっている実際に起きた出来事は、加計学園問題と伊藤詩織さんが元TBS記者の山口敬之さんから性暴力を受けたとされる問題だ。
※加計学園問題については「安倍首相の党首討論」をご覧ください。
そこに杉原が北京で働いていたころの上司神崎が絡むのだが、神崎のような人居るだろうなと思った。描写が余りにもリアルすぎて、館内は何とも言えないため息が時折アチコチから聞こえてきた。皆、やるせないのだろう。
神崎は上司の命令に逆らえず不正なことに手を染めてしまう。その後また同様なことを求められ再度応じてしまい、良心の呵責に耐え切れず自殺してしまう。
どこかで耳にしたことのある出来事だ。
「権力者が悪いことをするはずない」と思っている方必見です。改めて加計学園問題と伊藤詩織さんのことを考えるきっかけにもなった。
このような勇気あるテーマの映画に携わった全ての人々、ありがとうございました。
コメント
望月さんは、去年、平和ゼミナール主催の勉強会で講演をしてくれました 。とても早口で江戸っ子のような口調に、頭の回転の速さと度胸の良さを感じましたね。大手の新聞社が書けない記事を書こうとする、使命感に溢れた方だと思います。一部の世間の人は冷笑的に見る向きもありますが、望月さんのようなジャーナリストこそ本物だと、自分は思っています。
コメントありがとうございます。
おお!そうなのですね。
Kazさんは様々な著名人とコラボしてますね☆流石です!
語り口調良いですよね。
冷笑されている方もいるのですね…
うーん。悲しいです。
私も望月さんのように大権力に怯まず立ち向かうジャーナリストを、
応援していきたいと思います!