人里離れたところに男が居た
若いころはとても優秀で
馬車に揺られ街を通り抜け
濁った川辺で息を吹きかければ
濁流が清流に一変する
瑞穂の宝人伝説を君は聞いたか
夢の中で生き続けるアンドロイド
空中都市から見下ろす景色
泣きながら子どもを捜す義理の父
泣き顔は欺瞞に満ち満ちていて
命の終わりを渇望していた
狂った大人が行き交う回廊
そんな世界で宝人は何をする
手綱を外した馬車に乗りこみ
歩道に突っ込みギャロップギャロップ
護衛が駆け付け宝人をガードする
空中都市のアンドロイドは
悲嘆することなく星を創り続ける
鏡をたくさん持っている剣闘士
新月の夜闇闇のうちに訪れる
たくさんの荷物を抱えた母親
彷徨う人々の声は寒空に消えゆく
それでも良いのだアンドロイドは
希望を絶やすことなく星を創り続ける
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