鉄柵の端から続くなだらかなスロープ
滑り下りた先で十二脚の椅子がお前を待っている
まるで円卓の騎士が座っていたかのようだ
物質が混ざり合った砂場が歓迎してくれる
昨日までのヒストリーを砂に埋めたら
息を吐くように息を吸い込む
十三人目の椅子はどこにも見当たらない
裏切り者と罵声を浴びる騎士もいない
アーサー王ではなく朝王と呼ばれる爺が闊歩する
お前の眼にはのどかな景色に見えているか
十二人は騎士なのか門番なのか
砂に埋もれて考え込む時も必要だ
不正が横行する社会を駆け抜けろ
椅子から立ち上がりお前の背中を押す掌
路地裏から飛び出るのは今だ
天空を歩く爆発した星たちを見上げ
明日からのミステリーを砂から掘りだしたら
息を吸うように息を吐きだす
十三人目はお前で決まりだ
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