新撰組→新選組
いつから”新撰組”の表記が”新選組”に変わったのだろうか。家にある歴史書を読むと全て”新撰組”なのだが日野市にある「新選組のふるさと歴史館」はじめ、最近の雑誌などを見ても”新選組”となっていることが多い。現代表記にあわせていると言うことなのだろうか。
新撰組は尊攘派(君主”日本では天皇”を尊び外敵を排除する考え)の清河八郎、幕臣の山岡鉄舟らが攘夷実行のため1863年1月に立ち上げた浪士組が前身である。攘夷とは夷狄(中華思想から来る異民族に対する蔑称)を倒す、すなわち幕末日本に襲来していた諸外国の勢力を討つことを目的に浪士組は設立された。3月に近藤勇を中心とするグループが浪士組から分派して壬生浪士組が結成され同年8月、壬生浪士組は新撰組と名称を改めた。
天誅を阻止せよ
幕末動乱の時代京都では尊攘派の志士たちにより、外国人や外国貿易で富を得たもの、思想や方向性の異なるものに対し「天誅」と呼ばれるテロ行為が頻発した。幕府は既存の統治組織では対応できず、京都守護職の松平容保(会津藩主)の下に新撰組を投入し治安維持と回復を目指した。
途中経過は省くが、戊辰戦争において新撰組隊士の多くは戦死した。戊辰戦争終結を伝える箱館五稜郭が陥落し(1869年5月)榎本が新政府軍に降伏すると新撰組は名実ともに消失した。およそ7年間の活動であった。
幕末は尊王攘夷思想が吹き荒れたが、内戦に終始し攘夷は達成できなかったと私は考えている。薩長をはじめとする新政府軍はイギリスの、江戸幕府軍はフランスの援助を受けながら戦っていたからだ。さらに、関税自主権が完全に回復するのは1911年の日米新通商航海条約締結まで待たねばならなかった。
旧幕臣榎本武揚と共に箱館(現・函館)で最後まで抵抗したのが土方歳三だ。土方は現在の東京都日野市で産まれた。土方ゆかりの日野、また甲州街道5番目の宿場として賑わった日野宿本陣。
歴史大好きな私は興味津々で「新選組のふるさと歴史館」と「日野宿本陣」を訪れた。
爪楊枝で作製された土方歳三
「新選組のふるさと歴史館」に入った。受付でお金を払う。入館料は大人1人200円。受付の方に「日野宿本陣」と両方入れるチケットは300円ですよとお薦めされた。日野宿本陣へは歴史館から車で5分ほどで着くと教えてくれた。どうせならと両方に行けるチケットを購入した。
館内の展示場入り口のスグ脇に、爪楊枝で作製された土方歳三が飾ってあった。
力作を眺め展示室内に入った。上の画像にチラリと映っているが展示室内は撮影禁止だったので、残念ながら中の画像はない。
中に入ると甲州街道5番目の宿場としての日野宿の説明が丁寧に書かれていたり、八王子千人同心と日野市、また天然理心流との関わりが書いてあった。近藤勇の直筆文も残っていたりと、新撰組ファンはもちろん、歴史ファンも大いに楽しめる展示だった。その後は新撰組が京都へ行ってからの活動と戊辰戦争に関することが説明されていた。
昨日で終了してしまったが2階では土方歳三に関する15問のクイズがあり、それに答えると素敵なシールを2枚貰えると受付の方が教えてくれた。もちろんチャレンジしてシールをいただいてきた。
たくさんのパネルと当時の史料をふんだんに使用し大人から子どもまで楽しめる良い所だった。私たちは1時間30分くらい「新選組のふるさと歴史館」を見学し「日野宿本陣」へ向かった。
日野宿本陣
江戸時代に建てられた本陣で都内に唯一残るのが「日野宿本陣」だ。本陣とは江戸時代、街道の宿場に置かれた休泊施設である。語源は室町時代までさかのぼり、室町幕府2代将軍足利義詮が旅宿を本陣と称したのに始まる。
江戸時代、参勤交代の大名や公用の幕府役人、公家の宿泊に主に使われた。最初に建てられた日野宿本陣は1849年の大火で焼失してしまった。現在残るのはその後(1863年)に建てられたものである。日野本郷名主の佐藤彦五郎が本陣兼自宅として使用していた。佐藤彦五郎は八王子千人同心から天然理心流を紹介され数年後免許皆伝。
現在駐車場になっている場所には”天然理心流”の道場があったとガイドさんが教えてくれた。日野出身の土方歳三、井上源三郎はもちろんのこと、後に近藤勇や山南敬介、沖田総司らも訪れ交流が始まった。
中はとても広く10の部屋があった。全て畳が敷かれている和室でどこか懐かしい感覚になった。
鳥羽・伏見の戦いで負けた幕府軍。多くの新撰組隊士が京都から戻ってきた際日野宿本陣に集まった。新撰組の始まりと終わりを見届けた日野宿本陣。また訪れたい良い場所だった。幕末の志士たちはこの部屋で何を語り合ったのだろうか。時代の息吹に身を寄せて過ごす休日。色々なことがあった一日(最悪な一日)だったが、楽しかった思い出はしっかり私の中に残っている。
日野市役所へ電話
日野市役所へ電話し、一昨日突然ガイドが吐いた暴言を報告した。もちろん名指しだ。彼は観光協会から委託されているガイドらしい。二度と不快な発言をしないようしっかりと指導すると言ってくれたので信じよう。頼むぞ日野市役所と観光協会!
ありがとうございます
昨日の投稿を(最悪な一日) いつものようにtwitterで告知したら、多くの方から激励のコメントをいただきました。ありがとうございます。
先ほど見ましたが今週号の「週刊ポスト」の広告を見ると驚くばかりです。小学館の社員たちはエリート揃いだと思うのですが、何を考えているのでしょうか。今まで何を学んできたのでしょう。大衆を煽りに煽った結果、日本のみならず各国がどのような社会になっていったのかは散々見てきたはずです。部数が伸びれば伸びるほど小学館としては嬉しいですよね。このような広告が部数UPに繋がると踏んでのことでしょうから、恐ろしいばかりです。
大手メディアの蛮行を見かける度に、ヘイターたちのスピーチを聞いたり暴論を読むたび心折れそうになることもあります。仮に心折れて打ちのめされても、その都度立ち上がり自分の信念は曲げずに歩み続けます。激励してくださる皆さん、本当にありがとうございます。
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