イランにはいらんことをしに行ったのか
安倍晋三首相が訪問中のイランから今日帰ってきた。「中東の平和に建設的な役割を果たす」と意気込んでいた。”外交の安倍”を印象づけ参議院選挙戦に弾みをつけたかったのだろうが、私の眼には予算委員会からの海外逃避行にしか映らなかった。
”外交の安倍”って誰が言っているのだ?自民党が勝手に言っているだけだろ。政府の犬に成り下がったメディアばかりだから、そのまま言われた通り報道してしまうのだろう。どうかしていると思うよ本当に。今回のイラン訪問に関する報道でも、NHK政治部の岩田記者による無理やりな安倍擁護があった。
岩田記者は番組中で「安倍首相はトランプ大統領の真意を伝え、イランは安倍首相の助言を重視している」と発言。本当に重視しているのだろうか。それでは安倍首相とお話をした人々の直接の意見を見てみようではないか。
トランプ大統領とハメネイ師のツイート
私たちはテクノロジーの進化を体感している。ひと昔前だったら、どこかの国の指導者の生の意見を聞くことは中々できなかっただろう。ほぼ全て第三者を通して情報は伝わり、そこには何らかの思惑が入り込み捻じ曲げられて報道されたこともあっただろう。今でも捻じ曲がった報道がされることもあるだろうが以前よりはましだ。なぜなら、現代はスマートフォンを持ち何かを知ろうと能動的に動いていけば様々な所で、様々な人からたくさんの情報を見聞きすることが出来るからだ。その伝達速度も驚くほど速くなり、即座に世界中の人々からの情報が届く。とても凄いことだ。
アメリカのトランプ大統領はもちろんのことイランの最高指導者ハメネイ師もtwitterをやっている。誰でも気軽に彼らのtweetを読むことができる。え?英語読めないよって?大丈夫、翻訳ボタンがあるでしょ?ここではgoogleで翻訳されたものを、意味が通るよう編集して記した。黄色のアンダーラインが翻訳部分である。大きく意味が違っている場合はご指摘いただきたい。すぐに修正させていただく。
それではトランプ大統領とハメネイ師のtweetを見ていこう。まずは、安倍首相がイランへ行く前に相撲観戦などを楽しんだトランプ大統領。アメリカとイランの仲介役になりまっせ!とばかりに安倍首相はイランへ行ったわけだ。別にトランプ大統領は頼んでいないと思うけどね。
安倍首相がハメネイ師と会うためにイランへ行ったことはとても感謝しているよ。でもちょっと早かったんじゃないかな?アメリカもイランも話し合いにつく準備できていないよ。
といった所でしょうか。感謝はされているけど勇み足だったようだ。そりゃそうだよね、安倍首相がイラン訪問中にアメリカはイランに対する新たな経済制裁を発表したもんな。話合い始められないよね。続いてハメネイ師のtweet。
貴方とトランプ大統領は数日前にイランのことも含め色々話あったよね。日本から帰国したトランプ大統領はすぐにイランの石油化学産業に制裁を課したけど、どこが誠実なのでしょうか。アメリカは本当に交渉をする気があるのでしょうか。
わざわざ@マークをつけてtweet。安倍首相に読んでほしいのだろうな。@マークをつけて書いてあるので、安倍首相は貴方と訳した。
貴方とトランプ氏は米国と交渉することでイランの進展につながると言ったね。交渉もなく制裁されたけど。私たちは神の恵みによって進展するでしょう。
このtweetのコメント欄に下2つのtweetをハメネイ師は行った。なので下記tweetのyouは安倍首相でありyourは日本を指している。
アメリカ人はいつも自分たちの考えや信念を押し付けてくるという事実を、貴方(安倍首相)が認めているのは良いことです。アメリカ人が他人に自分たちの価値観を押し付けることに制限がないことも知っておいた方が良いよ。
安倍首相は八方美人であちこちに媚びを売りまくっているのか?すっかりアメポチだと思っていたのに、いないところでは陰口ですか。ま、これもハメネイ師による離間の計かもしれない。真相が気になる。
イランイスラム共和国との関係を拡大するという貴方(安倍首相)の提案を歓迎します。日本はアジアの重要な国であり、イランとの関係を拡大しようと思っているのであれば、いくつかの国がそうしてきたように決意を示さないとダメだよ。
関係を拡大したいという気持ちはありがたい、しかし本当に拡大したいなら決意を見せろってことだね。決意とは”アメリカ追従の経済政策ではなく独自に付き合ってくれ”ということだろうな。
みなさんはトランプ大統領とハメネイ師のtweetを読んで、どのように思っただろうか。私は岩田記者が言うように、イランが安倍首相の助言を重要視しているとは思えない。むしろハメネイ師は憤っているように思える。果たして大手メディアはハメネイ師の数々の生の声を取り上げるのだろうか。取り上げない意味がわからない。ちなみに安倍首相の最新tweetは6月12日のこちら。
安倍首相が訪問しているときにアメリカによる新たなイラン経済制裁が発表されたのにも関わらず、このtweet以降だんまり(6月14日17時ころ確認)。一体何をやっているのだろうか。自分の言葉で語ることが出来ないから、写真などを使用したイメージ戦略ばかりやっているのだろう。是非この機会に一度、安倍首相、トランプ大統領、ハメネイ師のtwitterを見比べて見てほしい。主義主張はともかくとして本当に悲しい気持ちになってくるよ。
ペルシャ湾タンカー事故
メタノールを積載しサウジアラビアからシンガポールに向かっていた船が6月13日ペルシャ湾で攻撃を受けた。安倍首相がイランに滞在しており、攻撃を受けたうちの1隻が日本の会社が運航するタンカー(船籍はパナマ)ということもあり緊張が一気に高まった。当然誰がやったのだという話になるわけだが、早速アメリカが飛ばしているな。
アメリカ国務長官のポンペオがイランに責任があると断定した。当然イランはやっていないと反論しているところだが、この先どうなるか。ここで思い出しておいてほしいことがある。イラク戦争(2003-2011)のことである。当時のアメリカ大統領ジョージ・W・ブッシュが「イラクに大量破壊兵器があるからやっつけよう!!」と言い始めたんだよな。イラクを牛耳っていたフセインを捕縛して死刑にして、イラクの街は破壊しつくされたけど、大量破壊兵器は出てこなかったよね。
戦争になることだけはさけてほしい。アメリカもイランも、冷静に話し合ってほしいな。所で安倍はイランに何をしに行ったのだ?トランプ大統領からもハメネイ師からも苦言を呈されているではないか。選挙のためのアピールだったら大失敗だったな。残念ながらいつまでも失態を隠し通せる時代ではないのだ。
NHKは今日のニュース7で「昨日は偏向報道をして申し訳ありませんでした」と謝罪せよ。視聴料金を徴収している場合ではないぞ。まずは政権の太鼓持ちをやめなさい。何が公共放送だ。バランス感覚を失うと大変なことになるぞ、と自分への戒めも書いた所で本日は旧友と新橋だ。散歩へ行って出かけてこよう。
コメント
このまま日本はどこに向かっていくのでしょうか。
ところで、香港の条例改正案は無期限延期と報道されてました。
コメントありがとうございます。
香港の件本当に良かったと思います。
まだまだ問題だらけでしょうがひとまず。
日本は日本会議の人々が望むような
社会になってしまうのでしょうか。
嫌だなぁ。
情報が操作されて報道されることは、戦時中の大本営発表から継続されて、なお現在に至っているのですね。さんはんさんの解説と丁寧な検証に接しなければ、僕はこれらの違和感やその源となる欺瞞に気づくことなく、やり過ごしてしまったことでしょう。SNSや報道の行間を読む、価値のある記事だと思います。これからもこのような論説を期待しています!
コメントありがとうございます。
Kazさんにそんなに褒められるとこそばゆいですね。
しかも絶対にやり過ごさないはずなのに!